白い伯爵夫人
The White Countess


映画情報


ソニーピクチャーズ
IMDb より

リリース予定:2005年秋
製作:マーチャント・アイボリー・プロダクション
監督:ジェームズ・アイボリー
脚本:カズオ・イシグロ
出演:ラルフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、バネッサ・レッドグレーブ、真田広之


<あらすじ>

1930年代の上海を舞台に、失意の元米国外交官と、街の女に落ちぶれた白ロシアの亡命伯爵夫人との関係を描く。

年の頃40代半ばのトッド・ジャクソンは、元は理想に燃えたアメリカの外交官であったが、数年前に視力を失い、今は
上海のホテルやナイトクラブを渡り歩くだけの生活をしている。現実の汚い政治と、今や避けがたくなってきた戦争の予感が、彼の理想を容赦なく打ち砕き、さらに、彼の失明の原因ともなった中国の戦乱のために、彼は妻と子供も失ったのだ。

ジャクソンは、そんな現実から逃れ、以前からひそかに抱いていたささやかな夢、自分の思い通りになる世界に閉じこもろうとしていた。それは、世界でおそらく最も退廃した、最もきらびやかで、最も薄汚れたこの港町に、完璧なバーをつくることである。彼は、膨大な時間を歓楽街で費やすうちに、すっかりデカダンスの通になっていた。

ある日、彼は松田という謎めいた日本人と出会う。ジャクソンは、松田が自分と同様、退廃した愉しみの美に対する審美眼を持っていると感じた。ジャクソンは貯金をすべて競馬に賭けて勝ち、その金でいよいよ夢を実現しようとする。ロマンスと悲劇と政治的緊張感の絶妙のバランスをもつバーである。

松田はジャクソンのこのプロジェクトを手伝うようになる。松田がどう見ても影のある人物であることも、ジャクソンは気にしなかった。松田は日本の上海占領を監督するためにやってきた、という噂がたったときも、ジャクソンは意識的に耳をふさいだ。彼は、夢のバーを完璧にすることに没頭し、外の世界への扉に鍵をかけ、自分のより深い意識をも封印すると決めていた。

ソフィアは、30代の白ロシア(ベラルーシ)の伯爵夫人で、子供のころ祖国で社会主義革命が起こったために亡命してきた。自分の家族はすでに誰もおらず、上海のスラムで、亡き夫の没落貴族一族と、10歳の娘カトヤとともに暮らしている。彼女は一族で唯一の稼ぎ手であり、職業ダンサーとして低俗なナイトスポットで働いているが、せっぱつまると時には売春をすることもある。一族の人々は、そんな彼女に感謝するどころか、家の名誉を傷つけたといって非難するばかりである。

ある夜、ジャクソンはソフィアが踊っているところに出会い、悲しみと官能が完璧に混ざり合った雰囲気に惹かれ、彼の完璧なバーの中心的存在となってほしい、と誘った。こうして二人の関係は始まる。そしてジャクソンは、彼自身の意に反して、しだいに自分の殻から引きずり出されることになる。ソフィアは単なる美しい絵ではないと思い知らされ、明るいカトヤに心惹かれ、そしてソフィアと娘を引き離そうとする一族の陰謀に巻き込まれる。

物語は、日本が上海に侵攻し、まもなく世界が第二次世界大戦に突入するというところで終わる。その時に至って初めて、ジャクソンはソフィアとその娘に対する愛を自ら認め、戦争のない世界というかつての彼の理想が再び目を覚ますのであった。

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